log4net

多分、log4cpp とほぼ同じだと思うけど。

ダウンロード

ここの Downloads からソース一式をダウンロードする。Stable というのが安定バージョンなので、大抵は Stable をいただく。

アーカイブの中にはバイナリ(dll)も同梱されていて、それらはそのまま使用することができるが、ここはやっぱりカスタマイズして使いたいので、ソースもコンパイルすることにする。

コンパイル

プロジェクト(ソリューション)は、src ディレクトリに入っている。これは多分一番古いバージョンの Visual Studio プロジェクトなので、新しいバージョンの VS ファイルにコンバートする(問い合わせが出るので「はい」で)。

log4net.sln を開くと、log4net.csprj と log4net.Tests.csprj という2つのプロジェクトが開くが、log4net.Tests.csprj の方は NUnit のテストプロジェクトなので、NUnit を入れていないとコンパイルできない。NUnit を入れてもいいが、面倒なら「プロジェクト」→「プロジェクトのアンロード」でアンロードしてコンパイル対象外にしてしまって良い。または、最初から log4net.csprj を直接開いて、新しいソリューションファイルをつくっても良い。

このまま「ビルド」すると、Debug ビルドの方は上手くいくが、Release ビルドは通らない。

error CS1548: アセンブリ 'log4net.dll' を署名しているときに
暗号に失敗しました -- 'キー ファイル '..\..\..\log4net.snk' 
の読み込み中にエラーが発生しました -- 指定されたファイルが
見つかりません。 '

というようなエラーが出る。

log4net.snk.readme を見ると、キーファイルをつくる必要があるというようなことが書いてあるので、書いてある通りに作成する。

sn -k log4net.snk

sn というのは .NET のツール。

(Program Files)\Microsoft Visual Studio .NET 2003\SDK\v1.1\Bin

に入っているが、おそらくパスが通っていない。ただ、「スタート」→「Visual Studio .NET ツール」からコマンドプロンプトを立ち上げれば、パスを通さずともこのコマンドがそのまま動作する。

最後の引数をファイル名のみにすると、(My Documents)\(ログイン名) ディレクトリに log4net.snk が作成される。

あと、AssemblyInfo?.cs の最後の行で、log4net.snk の位置指定が3つ階層を上がった場所に置くことになっている。これの意図が不明なので、私はソリューションと同じ位置に置いて、ファイル名のみの指定とした。

#if STRONG && (CLI_1_0 || NET_1_0 || NET_1_1 || NETCF_1_0 || SSCLI)
[assembly: AssemblyDelaySign(false)]
//[assembly: AssemblyKeyFile(@"..\..\..\log4net.snk")]
[assembly: AssemblyKeyFile(@"log4net.snk")]
#endif

これで、Relese もコンパイルできるはず。

ちなみに、出来合いのバイナリ(dll)は bin ディレクトリに入っているが、プロジェクトをコンパイルすると、 build というディレクトリの中にバイナリ(dll)が作成される(プロジェクトの設定がそうなっているので)。

使い方

あとは、ここらへんを参考に。

ただ、このページの通りに log4net.Config.DOMConfigurator を設定すると、

warning CS0618: 'log4net.Config.DOMConfiguratorAttribute' は古い形式です :
'Use XmlConfiguratorAttribute instead of DOMConfiguratorAttribute'

というような警告がでるので、DOMConfigurator ではなく XmlConfigurator? を使う。

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(Watch=true)]

参考

PatternLayout?で指定できるパターン

パターン説明
%cログ出力が行われたlogger名を出力。
%Cクラスを出力。
%d日時を出力。「%d{yyyy/mm/dd HH:mm:ss}」といった詳細指定も可能。
%Fファイル名を出力。
%lソース名や行といった呼び出し位置を出力。
%L行番号を出力。
%mメッセージを出力。
%Mメソッド名を出力。
%n改行文字を出力。
%pログのレベル(Fatal/Errorなど)を出力。
%tログを生成したスレッドを出力。
%xスレッドのNDC(ネスト化診断コンテキスト) を出力。スレッド固有の情報(セッションIDなど)を埋め込むことができる。

( CodeZine より )

上記のうち、 %C、%F、%l、%L、%M は処理負荷が高くなるらしい。 DEBUG レベルにして、運用時などは出力しないようにする方が良いでせう。

log4net.config はどこに置けば良い?

基本的に AssemblyInfo?.cs に指定した位置。

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(ConfigFile=@"log4net.config", Watch=true)]

ConfigFile? の値は絶対パス(フルパス)でも相対パスでも良いので、 確実に参照させたいなら絶対パスで書いてしまえば間違いない。 ただ、通常は config ファイルはプロジェクトに含めたいところなので、 相対パスで書く方が柔軟性がある。

Windows アプリケーションの場合

AssemblyInfo?.cs に、

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(ConfigFile=@"log4net.config", Watch=true)]

と書いた場合は、実行モジュール(.exe など)と同じ位置になる。 ただ、大抵の場合、実行モジュールは bin\Debug や bin\Release などのフォルダの下にできるので、 共通の config ファイルを参照するために、プロジェクトファイルと同じ位置 (実行モジュールから見たら 2 つ上の階層)を見るように設定するのが妥当らしい。

つまり、

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(ConfigFile=@"..\..\log4net.config", Watch=true)]

となる。

ただ、リリース時はここを書き換える必要があるか。

Web アプリケーションの場合

AssemblyInfo?.cs に、

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(ConfigFile=@"log4net.config", Watch=true)]

と書いた場合は、Web アプリケーションのルートということになるが、 それは一体どこかというと、どうやらプロジェクトファイルがある場所らしい。 (コンパイルすると、実行モジュール(.dll)は bin の下にできるので、 てっきりそこがルートかと思いきや、違った。)

なので、config ファイルをプロジェクトと同じ位置に置くのであれば、 上の記述で問題ない模様。

アプリケーションの config に書いてしまう方法

log4net.config というファイルを別に用意するのでなく、 アプリケーションの config ファイルに書き込んでしまう手もある。

つまり、Windows アプリケーションなら app.config, Web アプリケーションなら web.config に、 log4net.config の内容を埋め込んでしまう。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<configuration>
   <configSections>
      <section name="log4net"
          type="log4net.Config.Log4NetConfigurationSectionHandler, log4net"/>
   </configSections>
   
   <appSettings>
      <!-- log4net内部のデバッグメッセージを出力する場合、trueに設定 -->
      <add key="log4net.Internal.Debug" value="true"/>
   </appSettings>
   
   <log4net>
      
      <!-- ここに log4net.config の内容を記述。 -->
      
      <appender name="DailyAppender" type="log4net.Appender.RollingFileAppender">
         <!-- ファイル名 -->
         <param name="File" value="trace.log" />
         <!-- 追記する場合 true / 上書きする場合 false -->
         <param name="AppendToFile" value="true" />
         <!-- 日付や時刻の制約によるログファイルの切替 -->
         <param name="RollingStyle" value="Date" />
         <!-- 上から「毎月、毎週、毎日、半日、毎時、毎分」の設定(デフォルトは毎日) -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-MM" /> -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-ww" /> -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-MM-dd" /> -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-MM-dd-a" /> -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-MM-dd-HH" /> -->
         <!-- <param name="DatePattern" value="yyyy-MM-dd-HH-mm" /> -->
         <param name="DatePattern" value="yyyy-MM-dd" />
         <!-- 保存するファイル数(数を超えた場合は古いものから削除) -->
         <param name="MaxSizeRollBackups" value="7" />
         <param name="StaticLogFileName" value="true" />
         <layout type="log4net.Layout.PatternLayout">
            <param name="ConversionPattern" value="%d [%t] %-5p - %m%n" />
         </layout>
      </appender>
      
      <root>
         <!-- 出力レベル -->
         <level value="INFO" />
         <!-- 使用する Appender -->
         <appender-ref ref="DailyAppender" />
      </root>
      
   </log4net>
</configuration>

とか。

この場合は、AssemblyInfo?.cs に ConfigFile? の値を記述する必要はない。

つまり、

[assembly: log4net.Config.XmlConfigurator(Watch=true)]

これでOK。

関連


プログラム・開発系メモ


トップ   編集 凍結解除 差分 バックアップ 添付 複製 名前変更 リロード   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS
Last-modified: 2010-05-15 (土) 12:08:01 (5085d)