zlib というのは、ファイルを圧縮、伸張するフリーのライブラリ。ZIP や GZIP などに使われてるので有名よね。 - [[zlib(公式):http://zlib.net/]] ** Index [#vceba3b6] #contents ** インストール [#tadf8359] Linux であれば、大抵は yum でインストールできるはず。 # yum install zlib zlib-devel Winodows の場合は [[公式サイト:http://zlib.net/]] から SDK をダウンロードしてインスコすべし。 ダウンロードしたら、MinGW であればそのまま configure して make 。Visual Studio(VC++)の場合は、新しくプロジェクト(ソリューション)を作成して、ソースを全部インポートする。カンタンなやり方を以下にメモ。 *** Visual C++ 2005 で zlib をコンパイル [#yfbea289] + http://zlib.net/ から zlib***.zip(*** はバージョン)をダウンロード。 + 上記 zip を適当なところに展開。 + 「ファイル」→「新規作成」→「プロジェクト」→「Visual C++」→「空のプロジェクト」&br; プロジェクト名は何でもOK。 + ソリューションエクスプローラのプロジェクトを右クリックして「追加」→「既存の項目」。 + ダウンロード、展開したファイル(フォルダ)たちを全部選択して「追加」。&br; 何かダイアログが出るかもしれないけど、気にしない(選択肢は「いいえ」で)。 + ソリューションエクスプローラのプロジェクトを右クリックして「プロパティ」。 + 「構成のプロパティ」の「構成の種類」で「スタティックライブラリ(.lib)」を選択。 + 「ビルド」→「ソリューションのビルド」(プロジェクトのビルドでもOK)。 これで lib 若しくは dll ができる(はず)。 nmake を使う場合は、上記で展開した中に win32 というフォルダがあるので、その中の Makefile.msc を指定すればいける(はず)。 cd (展開したフォルダ) nmake -f win32/Makefile.msc all これで zlib.lib と zlib1.dll というのがつくられる(他にもいろいろと)。 ''zlib 1.2.5 以降の場合''&br; Makefile.msc の記述が足りないらしく、リンクで失敗する。 infback.obj : error LNK2019: 未解決の外部シンボル _inflate_fast が 関数 _inflateBack で参照されました。 inflate.obj : error LNK2001: 外部シンボル "_inflate_fast" は未解決です。 zlib1. dll: fatal error LNK1120: 外部参照 1 が未解決です。 これは、inffast.obj という中間ファイルが参照されてないから _inflate_fast が解決できない為。ということで Makefile.msc を開いて、OBJS 行に inffast.obj を追加する。 OBJS = adler32.obj compress.obj crc32.obj deflate.obj gzclose.obj gzlib.obj gzread.obj \ gzwrite.obj infback.obj inflate.obj inffast.obj inftrees.obj trees.obj uncompr.obj zutil.obj これで nmake すればいけるはず。 *** MFC アプリケーションで使えない? [#m4baba3a] Visual C++ で 「MFC アプリケーション」としてつくったプロジェクト(プログラム)で zlib を使おうとするとエラーになることがある。これは、MFC で使用する ランタイムライブラリ(msvcrt.lib で参照)が MFC と zlib とで異なる為。 Visual C++ で 「MFC アプリケーション」としてつくったプロジェクト(プログラム)で zlib を使おうとするとエラーになることがある。これは、MFC で使用する ランタイムライブラリ(msvcrt.lib で参照)が MFC と zlib とで異なる為。これを解決するには、zlib のコンパイルで MFC アプリで使用しているランタイムに合わせてやれば良い。 これを解決するには、zlib のコンパイルで MFC アプリで使用しているランタイムに合わせてやれば良い。Visual C++ で zlib をコンパイルした場合は、ランタイムライブラリを MFC アプリと同じものにする(/MD とか /MT とかいうやつ)。 Visual C++ で zlib をコンパイルした場合は、zlib のプロジェクトの「プロパティ」を開いて「構成プロパティ」→「C/C++」→「コード生成」の「ランタイムライブラリ」を MFCアプリ側と同じものにする。 nmake の場合は、Makefile.msc の中の CFLAGS に -MD とか -MT とか設定されているので、そこを MFC アプリと同じものに書き換える。 nmake の場合は、Makefile.msc の中の CFLAGS に -MD とか -MT とか設定されているので、そこを MFC アプリのランタイムライブラリと同じものに書き換える。 - 参考 [[MASATOの開発日記 MFCにおけるzlibの使い方:http://www.sutosoft.com/room/archives/000154.html]] ** 使用例 [#ca9b1359] HTTP 1.1 で gzip 圧縮データを扱う例を以下に。 *** 圧縮 [#r7ca5012] #code(C){{ #include <zlib.h> /** * データを圧縮. */ int compress( unsigned char *src, unsigned long srcSize, unsigned char *dest, unsigned long destMaxSize, unsigned long *destSize) { z_stream z; // メモリ管理はZLIBに任せる z.zalloc = Z_NULL; z.zfree = Z_NULL; z.opaque = Z_NULL; z.next_in = Z_NULL; z.avail_in = 0; int status = Z_OK; status = deflateInit(&z, Z_DEFAULT_COMPRESSION); if (status != Z_OK) { debugs_format(99, 5, "deflateInit: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } // 入力データを設定 z.next_in = src; z.avail_in = srcSize; // 出力先を設定 z.next_out = dest; z.avail_out = destMaxSize; // 圧縮 //status = deflate(&z, Z_NO_FLUSH); status = deflate(&z, Z_FINISH); // 成功ではない、またはデータの最後まで読み取れていない場合は失敗 if (status != Z_OK && status != Z_STREAM_END) { debugs_format(99, 5, "deflate: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } status = deflateEnd(&z); if (status != Z_OK) { debugs_format(99, 5, "deflateEnd: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } // 出力サイズを設定 *destSize = z.total_out; return 0; } }} *** 伸長 [#nc35ae87] #code(C){{ #include <zlib.h> /** * 圧縮されているデータを伸長. */ int decompress( unsigned char *src, unsigned long srcSize, unsigned char *dest, unsigned long destMaxSize, unsigned long *destSize) { z_stream z; int status = Z_OK; // メモリ管理はZLIBに任せる z.zalloc = Z_NULL; z.zfree = Z_NULL; z.opaque = Z_NULL; z.next_in = Z_NULL; z.avail_in = 0; status = inflateInit2(&z, MAX_WBITS + 32); if (status != Z_OK) { debugs_format(99, 5, "inflateInit: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } // 入力データを設定 z.next_in = src; z.avail_in = srcSize; // 出力先を設定 z.next_out = dest; z.avail_out = destMaxSize; // 伸長(展開) status = inflate(&z, Z_NO_FLUSH); // 成功ではない、またはデータの最後まで読み取れていない場合は失敗 if (status != Z_OK && status != Z_STREAM_END) { debugs_format(99, 5, "inflate: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } // 出力サイズを設定 *destSize = z.total_out; // 終了処理 status = inflateEnd(&z); if (status != Z_OK) { debugs_format(99, 5, "inflateEnd: %s\n", (z.msg) ? z.msg : "???"); return status; } // 出力サイズを設定 *destSize = z.total_out; return status; } }} HTTP 1.1 の場合、26行目のinflateInit2()の第2引数が MAX_WBITS ではなく MAX_WBITS + 32 にしないとエラーになる罠。HTTP ではヘッダ情報がついてるらしく、その分拡張しないとダメとのこと。HTTP でない場合はそこはいらないかも? --------- [[MLEXP. Wiki]]