ぼくのロボット

なぜか主人公につきまとって離れない妙なロボット。最初主人公はそのロボットを気味悪がって追い払うが、次第にそのロボットに愛着を示すようになる。このロボットの正体は。

考察

日常生活に異分子が入り込んで繰り広げられるドタバタ劇という、メジャーな藤子作品に見られる原点的な作品といえる。ただ、この作品は、さまざまな物語の要素が詰め込まれ過ぎている感もある。メインルーチンは、主人公の少年が出会った奇妙な格好をしたロボットが巻き起こす不思議な事件の数々、というところか。オチも至って普通で、本作品に深いメッセージ性はあまり見られない。

本編に一貫しているのは、モラル的教訓、つまり、悪いことをしたら、反対にやっつけられるのだぞ、ということ。これは、子供が読んで、素直に受け入れられる内容だろう。その後の藤子作品に、こうしたストーリー展開は多々見られる。何でも、悪いことをしたらしっ放しということでは終わらない。実は、基本はギャグ漫画でありながら、筋としてそのような要素を入れてくるというところは、一つには原 作者の人間性の現れでもあるのだろう。

結局、このロボットは宇宙人の友達かペットか、そのようなものだった、という結末だが、これは便宜的な終結のさせ方であって、つまり、子供にとってみれば、ロボットが正体不明で終わるよりは、何らかの正体を明かして終わった方がスッキリするという、その一つの解決方法である。ただ、このような明瞭な完結は、異色(SF)短編作品としてはむしろ「異例な終わり方」だろう。


収録

2000年7月現在

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