(音楽のシロウトが)DTMするのに知っておいた方が良いだろう音楽の基礎。

#contents

* スケール(音階) [#z9b9aee5]
いわゆるドレミ…というやつ。実は、ドレミというのはイタリア語。DTMをする上で(ていうか、音楽する上で)覚えておくべきは、英語、イタリア語、日本語の3つだけで良いかと。

||1|2|3|4|5|6|7|h
|BGCOLOR(SILVER):''イタリア語''|ド|レ|ミ|ファ|ソ|ラ|シ|
|BGCOLOR(SILVER):''英語''|C|D|E|F|G|A|B|
|BGCOLOR(SILVER):''日本語''|ハ|二|ホ|ヘ|ト|イ|ロ|

ただ、これは実は音階の全てではない。ド、レ、ファ、ソ、ラの次には、それぞれ半音高いド#、レ#、ファ#、ソ#、ラ# というのがいる。ピアノ鍵盤でいえば黒いやつ。"#"(シャープ) という記号は「それより半音高い」という記号。「それより半音低い」というのを表す "♭"(フラット)というのもあるので、レ♭、ミ♭、ソ♭、ラ♭、シ♭とも書ける。どちらも同じ意味。

つまり、こう。

||1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|h
|BGCOLOR(SILVER):''イタリア語(#)''|ド|ド#|レ|レ#|ミ|ファ|ファ#|ソ|ソ#|ラ|ラ#|シ|
|BGCOLOR(SILVER):''イタリア語(♭)''|ド|レ♭|レ|ミ♭|ミ|ファ|ソ♭|ソ|ラ♭|ラ|シ♭|シ|
|BGCOLOR(SILVER):''英語''|C|C#|D|D#|E|F|F#|G|G#|A|A#|B|
(日本語はあんまり使わないので省略)

DTMに限っていえば、"♭" はあまり使わないので、以下は "#" の表現で統一する。

* 半音?全音? [#o30dcf01]
音楽表現をややこしくしてる元凶のひとつ。ピアノ鍵盤でいえば、白鍵盤と黒鍵盤を全部平等にみなせば、半音毎に隣り合って並んでいる。

&ref(cmp001.png);

ひらたくすると、こういうこと。↓

&ref(cmp002.png);

''隣同士が半音''。''2つ隣に行くと全音''。例えば、ドとレの音程差は全音、ミとファの音程差は半音。&color(GRAY){(最初からこういう並びで12音平等に見ればいいのに、と思うのだけど、そこはいろいろ(歴史とか)あるらしく。。)};

- 参考 : [[音階(Wikipedia):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9F%B3%E9%9A%8E]]

* 音の「調」 [#n472d96b]
どの音で始まるパターンということ。例えば、Cの音で始まる音は「Cの調」という。

この“パターン”というのは、音と音の隣同士が、''全音 → 全音 → 半音 → 全音 → 全音 → 全音 → 半音'' という並びになっているパターン。例えば、「ド」で始まる場合は、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ラ、シ、ド(半音を含まない)。

このパターンを各音階について全部書き出すと、次のようになる。

||1度|2度|3度|4度|5度|6度|7度|8度|...|h
|BGCOLOR(SILVER):''ド(C)''|ド(C)|レ(D)|ミ(E)|ファ(F)|ソ(G)|ラ(A)|シ(B)|ド(C)||
|BGCOLOR(SILVER):''ド#(C#)''|ド#(C#)|レ#(D#)|ファ(F)|ファ#(F#)|ソ#(G#)|ラ#(A#)|シ(B)|ド#(C#)||
|BGCOLOR(SILVER):''レ(D)''|レ(D)|ミ(E)|ファ#(F#)|ソ(G)|ラ(A)|シ(B)|ド#(C#)|レ(D)||
|BGCOLOR(SILVER):''レ#(D#)''|レ(D)|ミ(E)|ファ(F)|ソ#(G#)|ラ#(A#)|シ(B)|ド(C)|レ#(D#)||
|BGCOLOR(SILVER):''ミ(E)''|ミ(E)|ファ#(F#)|ソ#(G#)|ラ(A)|シ(B)|ド#(C#)|レ#(D#)|ミ(E)||
|BGCOLOR(SILVER):''ファ(F)''|ファ(F)|ソ(G)|ラ#(A#)|シ(B)|ド(C)|レ(D)|ミ(E)|ファ(F)||
|BGCOLOR(SILVER):''ファ#(F#)''|ファ#(F#)|ソ#(G#)|ラ#(A#)|シ(B)|ド#(C#)|レ#(D#)|ミ(E)|ファ#(F#)||
|BGCOLOR(SILVER):''ソ(G)''|ソ(G)|ラ(A)|シ(B)|ド(C)|レ(D)|ミ(E)|ファ#(F#)|ソ(G)||
|BGCOLOR(SILVER):''ソ#(G#)''|ソ#(G#)|ラ#(A#)|シ(B)|ド#(C#)|レ#(D#)|ミ(E)|ファ(F)|ソ#(G#)||
|BGCOLOR(SILVER):''ラ(A)''|ラ(A)|シ(B)|ド#(C#)|レ(D)|ミ(E)|ファ#(F#)|ソ#(G#)|ラ(A)||
|BGCOLOR(SILVER):''ラ#(A#)''|ラ#(A#)|シ(B)|ド(C)|レ#(D#)|ミ(E)|ファ(F)|ソ(G)|ラ#(A#)||
|BGCOLOR(SILVER):''シ(B)''|シ(B)|ド#(C#)|レ#(D#)|ミ(E)|ファ#(F#)|ソ#(G#)|ラ#(A#)|シ(B)||

この表のそれぞれの音階は、開始(主音)を1として、以降番号を振って 1度、2度、3度... などと呼ぶ(これを「音度」という。&color(GRAY){「音頭」ではない};)。
これらは、半音ずつずれて、全く同じメロディになる。

* コードって? [#aca83b49]
和音のこと。つまり、複数の音階の音を同時に出すこと。これには規則があるが、あまりに多い。プロはこれを全部覚えてるとか。(あり得ない!)

コードは、基本となる根音(ルート)の上に2つ以上の音を加えた和音で、表記は、例えば「ド」のマイナーであれば「Cm」のように、「(ルート)+(コード種別)」のように表記する。

主なコードと重ね方は以下。和音の数字は、ルートを1として半音ずつ上がった音階数(音度ではないので注意)。

|コード|表記|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|>|和音|h
|トライアド|-|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|BGCOLOR(#afeeee):4|BGCOLOR(#ffa500):5|6|7|BGCOLOR(YELLOW):8|9|10|11|12|
|シックスス|6|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|BGCOLOR(#afeeee):4|BGCOLOR(#ffa500):5|6|7|BGCOLOR(YELLOW):8|9|BGCOLOR(YELLOW):10|11|12|
|セブンス|7|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|BGCOLOR(#afeeee):4|BGCOLOR(#ffa500):5|6|7|BGCOLOR(YELLOW):8|9|10|BGCOLOR(#afeeee):11|BGCOLOR(#ffa500):12|
|マイナー|m|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|BGCOLOR(#afeeee):4|5|6|7|BGCOLOR(YELLOW):8|9|10|11|12|
|メジャー|M|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|4|BGCOLOR(#ffa500):5|6|7|BGCOLOR(YELLOW):8|9|10|11|12|
|アッド...|add...|1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|
|サス...|sus...|1|2|3|4|5|6|7|8|9|10|11|12|
|ディミニッシュ|dim...|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|BGCOLOR(#afeeee):4|5|6|BGCOLOR(#afeeee):7|8|9|BGCOLOR(YELLOW):10|11|12|
|オーグメント|aug...|BGCOLOR(YELLOW):1|2|3|4|BGCOLOR(#ffa500):5|6|7|8|BGCOLOR(#ffa500):9|10|11|12|
※ &color(black,YELLOW){黄色};は共通。&color(black,#ffa500){オレンジ};はメジャーの場合。&color(black,#afeeee){青};はマイナーの場合。

1度、3度、5度の3音を重ねた「トライアド(Triad)」というのが基本。これに6度を加えて「シックスス(6th)」にしたり、7度を加えて「セブンス(7th)」にしたり、といったバリエーションがあり、さらに、コードを構成する要素の音階を半音下にずらして「マイナー(minor)」にしたり、といった変化をつけたりする(らしい)。

詳しいことは、このあたりを参考に。

- [[和音(Wikipedia):http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%92%8C%E9%9F%B3]]
- [[和音_(超図解&聞いて覚える)楽器を始める人のための基礎知識:http://www.tajima-d.jp/music/basic4/index.html]]
- [[やさしいコード理論:http://www4.ocn.ne.jp/~red-fish/theory/chord.html]]

何が何だかサッパリだッ!というときは、もうトライアドだけ覚えておいて、それにもう1つ音を重ねてみたり、どれかひとつ半音ずらしてみたりして、不協和音にならなければ正解だと思えば良いんじゃないかな…。(DTMならそれができる!)

その場合に以下のポイントをおさえておけば大体OK。

- 基本となるトライアドをつくる。&br;
&color(#303030){例えば Cコードなら、Cを1度として、3度のEと5度のGを足して、C E G とする。};
- トライアドの2番目(3度)の音を半音下げると、大体マイナー(minor)になる。&br;
&color(#303030){例えば Cコードなら、C E G なので、3度のEを半音下げて C D# G とすると Cm(Cマイナー)になる。};
- 音を追加するときは、トライアドの''上に''1つ追加する。(下ではない!また2つも3つもくっつけない!)&br;
&color(#303030){例えば Cコードなら、C E G に7度の B を追加して C E G B とすると CM7(Cメジャーセブンス)になる。};&br;
&color(#303030){CM7の3度と7度の音を半音下げて C D# G A# とするとCm7(Cマイナーセブンス)になる。};



* 転調 [#n104ef84]
曲のテンポ(進行の速さ)を曲の途中で変えること。曲に変化をつける手法のひとつだけど、これは素人は下手にやらない方がいいかもしれない。(曲が空中分解する)

* 曲進行 [#a42a2c57]
曲の進め方。クラシックとかよくわからないけど、最近のPOPSはこんな構成が多い。

+ ''前奏''(イントロ)
+ ''1番'' Aメロ → Bメロ → サビ
+ ''2番'' Aメロ → Bメロ → サビ
+ ''間奏''(Cメロ)
+ ''3番'' サビ
+ ''後奏''(アウトロ)

ただ、必ずこういう構成というわけじゃなく、イントロがいきなりサビというのもよくある。あと、上記の 1、2、5、6 というパターンで終わっていたり(ショート)、2番や間奏(Cメロ)がないパターンというのも多々ある。いわゆるフルバージョンの王道的なパターンが上記。

* 曲の構成 [#v029feac]
4/4拍子であれば、4分音符4つ分が1小節となり、それを組み合わせていくというのが基本。MIDIに変わって最近のDTMの主流となりつつあるループ音源の組み立てでも、それに使われるループは1小節、或いは2小節が固まったブロックであることが多い。

この構成で、シロウト的におさえておきたいポイントは以下。

- 4小節で1メロディを構成する。
- 1メロディ内では同じ「調」の音(「ダイアトニック・ノート」という)のみを使う。&br;
例えば、C調で構成するなら、そのメロディ内は「C、D、E、F、G、A、B」のみを使う。
- 1メロディ(4小節)は前半と後半の2小節ずつで構成して、後半は前半のアレンジにすると良い感じ。
- メロディの最後の小節は次のメロディにつなげる意識をする。
- Bメロの最後はセブンスにするとサビに入りやすい。(セブンスの次はCコードがくるので)

* 長調 / 短調 [#lf0eba24]
とにかく''明るい音を長調''、''暗い音を短調''という。何そのアバウトな表現。

その曲をどの音から開始するかで曲の感じが変わってくるらしい。元となる音(主音)から始まって前の音からどれだけの音程差があるか(半音なら1、全音なら2)を書いてみる。

|音度(主音からの差)|2度|3度|4度|5度|6度|7度|(8度)|h
|メジャースケール(長音階)|2|2|1|2|2|2|1|
|ナチュラル・マイナースケール(自然短音階)|2|1|2|2|1|2|2|
|ハーモニック・マイナースケール(和声短音階)|2|1|2|2|1|3|1|
|メロディック・マイナースケール(旋律的短音階)|2|1|2|2|2|2|1|

例えば、C調なら、ド(C)から始めると「C D E F G A B C」というメジャースケールになり、ラ(A)から始めると「A B C D E F G A」というナチュラル・マイナースケールになる、といった具合。で、この''メジャースケールなものを長調、マイナースケールなものを短調''と呼ぶ。ちなみに、「C」は日本語なら「ハ」なので、Cのメジャースケールで始まる調は「ハ長調」、Cのマイナースケールで始まる調は「ハ短調」という。

メジャーは 2→2→1→2→2→2→1(或いは、全→全→半→全→全→全→半)となっていて、ナチュラル・マイナーは 2→1→2→2→1→2→2(或いは、全→半→全→全→半→全→全)となっている。

注目するポイントは3度のところで、''マイナーはメジャーの3度の音を半音下げたものになっている''。

ちなみに、ハーモニック・マイナーはナチュラル・マイナーの7度のところを半音上げていて、メロディック・マイナーはハーモニック・マイナーの6度を半音上げている。もうわからんね。

ここはとりあえず、メジャーとナチュラル・マイナーだけ覚えておいて、Aメロ:長調→Bメロ:短調→サビ:長調 のような進行にしたい場合は、最初のAメロの調の3度を半音下げればBメロの調になるんだなー、程度にとらえておく。


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[[DTMメモ]]

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